disclosure2020
86/88

自己資本比率の算定に関する用語解説一覧 用語 内容 自己資本比率 自己資本の額をリスク・アセット等の総額(信用リスク・アセット額及びオペレーショナル・リスク相当額)で除して得た額。国内基準を採用する金融機関では4%以上が必要とされていますが、JAバンクでは自主的な取り決めにより8%以上が必要とされています。 エクスポージャー リスクを有する資産並びにオフ・バランス取引及び派生商品取引(以下「資産等」といいます。)の与信相当額のことです。 リスク・ウェイト リスクを有する資産等を保有するために必要な自己資本額を算出するためのリスクの大きさに応じた掛目のことです。 信用リスク・アセット額 エクスポージャー(リスクを有する資産等)に対して、信用リスク削減手法を適用後、対応するリスクの大きさに応じた掛目(リスク・ウェイト)を乗じて算出したものです。 所要自己資本額 リスクを有する資産等を保有するのに必要となる自己資本の額のことです。国内基準では各リスク・アセットに4%を乗じた額となります。 オペレーショナル・リスク(相当額) 金融機関の業務において不適切な処理等により生じるリスクのことを指し、不適切な事務処理により生じる事務リスクやシステムの誤作動により生じるシステムリスクなどが該当します。 なお、自己資本比率の算出にあたっては、一定の手法によりオペレーショナル・リスクを数値化した額をオペレーショナル・リスク相当額として分母に加算します。 基礎的手法 新BIS規制においてオペレーショナル・リスク相当額を算出する最も簡易な手法です。1年間の粗利益に0.15を乗じた額の直近三年間の平均値によりオペレーショナル・リスク相当額を算出する方法です。1年間の粗利益は、事業総利益から信用事業に係るその他経常収益、信用事業以外の事業にかかるその他の収益、国債等債券売却益・償還益、補助金受入額を控除し、信用事業に係るその他経常費用、信用事業以外の事業にかかるその他の費用、国債等債権売却損・償還損・償却、役務取引等費用及び金銭の信託運用見合費用を加算して算出しています。 抵当権付住宅ローン 住宅ローンのうち、抵当権が第1順位かつ担保評価額が十分であるもののことです。 コミットメント 契約した期間・融資枠の範囲内で、お客さまのご請求に基づき、金融機関が融資を実行することを約束する契約における融資可能残額のことです。 証券化エクスポージャー 証券化とは、原資産に係る信用リスクを優先劣後構造のある二以上のエクスポージャーに階層化し、その一部又は全部を第三者に移転する性質を有する取引のことであり、証券化エクスポージャーとは証券化に伴い第三者に移転する資産のことです。 店頭デリバティブ 株式や金利、為替などの通常の取引から派生した比較的小さな金額で仮想的に大きな原資産を取引する金融商品取引のうち、金融機関や証券会社の店頭で相対で行われる取引のことです。 クレジット・デリバティブ 信用リスクをヘッジ(回避・低減)するために、債務者である会社等の信用力を指標に将来受け渡す損益を決める取引です。 カレント・エクスポージャー方式 派生商品取引及び長期決済期間取引を直評価することにより算出する再構築越コスト(同一の取引を取引の相手方において取引の継続的履行が不可能となったような場合に、同一の取引を市場で再構成する場合に必要となるコスト)に当該取引の想定元本(取引にかかる利息等を計算するための名目の元本)に取引内容や期間に応じた一定の掛目を乗じて算出される金額を加算することで与信相当額を算出する方法のことです。 プロテクションの購入及び提供 プロテクションの購入とは、クレジット・デリバティブ取引において信用リスクをヘッジ(回避・低減)するための取引をいい、プロテクションの提供とは、保証を与える取引を指します。 信用リスク削減手法 金融機関が保有している信用リスクを軽減する措置であり、新BIS規制では、貯金や有価証券など一定の要件を満たす担保や保証がある場合には、担保や保証人のリスク・ウェイトに置き換えることができます。 想定元本 投資元本がない金融派生商品において、金利計算等を行うための名目上の元本のことです。 再構築コスト 同一の取引を市場で再度構築するのに必要となるコスト(ただし0を下回らない)をいいます。 派生商品取引 有価証券取引等から派生し、原資産の価格によりその価格が決定される商品のことであり、先物、オプション、スワップ取引等が該当します。 オリジネーター 証券化の対象となる原資産をもともと所有している立場にあることを指します。 信用補完機能を持つI/Oストリップス 信用補完機能を持つI/Oストリップスとは、原資産から将来において生じることが見込まれた金利収入等の全部又は一部を受ける権利であって、金融機関が留保又は譲り受けた他に劣後しているものを指します。 金利ショック 保有している資産や負債等に金利の変化を当てはめることです。 重要性テスト 金融機関が保有する金利リスク量が自己資本(基本的項目と補完的項目)に対して20%を超える経済価値の低下が生じる場合、当局が早期警戒制度の枠組みの中でモニタリングを行います。 IRRBB 銀行勘定の金利リスクのことで、金利水準の不利な変動が銀行勘定に与える影響から生じる、銀行の資本及び損益に対する既存ないし将来的なリスクを指します。 ⊿EVE 金利リスクのうち、金利ショックに対する経済的価値の減少額として計測されるものをいいます。 ⊿NII 金利リスクのうち、金利ショックに対する算出基準日から12カ月を経過する日までの間の金利収益の減少額として計測されるものをいいます。 上方パラレルシフト 通貨及び将来の期間ごとに、当該通貨及び当該将来の期間に応じた算出基準日時点のリスクフリー・レートに、別に定めるパラレルシフトに関する金利変動幅を加える金利ショックをいいます。 下方パラレルシフト 通貨及び将来の期間ごとに、当該通貨及び当該将来の期間に応じた算出基準日時点のリスクフリー・レートに、別に定めるパラレルシフトに関する金利変動幅にマイナス1を乗じて得た数値を加える金利ショックをいいます。 スティープ化 通貨及び将来の期間ごとに、当該通貨及び当該将来の期間に応じた算出基準日時点のリスクフリー・レートに、別に定める算式を用いて得た金利変動幅を加える金利ショックをいいます。 フラット化 通貨及び将来の期間ごとに、当該通貨及び当該将来の期間に応じた算出基準日時点のリスクフリー・レートに、別に定める算式を用いて得た金利変動幅を加える金利ショックをいいます。 短期金利上昇 通貨及び将来の期間ごとに、当該通貨及び当該将来の期間に応じた算出基準日時点のリスクフリー・レートに、別に定める算式を用いて得た金利変動幅を加える金利ショックをいいます。 短期金利低下 通貨及び将来の期間ごとに、当該通貨及び当該将来の期間に応じた算出基準日時点のリスクフリー・レートに、短期金利上昇に関する金利変動幅にマイナス1を乗じて得た数値を加える金利ショックをいいます。 ー84ー

元のページ  ../index.html#86

このブックを見る