村上 俊二 ごあいさつ 令和5年度は、ロシアによるウクライナ侵攻の終結へ向けた道筋が見通せず、さらにイスラエルとハマスの武力衝突等を始めとし、世界各地での摩擦により緊張が高まる等国際情勢の先行きは不透明感を増しました。また、日米の金利差を主な要因とした大幅な円安の進行も相まって食料・エネルギー等の輸入品を中心に物価の上昇が繰り返され、私たちの生活に大きな影響を及ぼしました。 ー 1 ー組合員並びに地域の皆様には、平素よりJA尾道市の各事業に対しまして格別のご支援ご協力を賜り、衷心より厚くお礼申し上げます。 国内では3年余りにも及んだコロナ禍が5類感染症に移行したことで経済・社会活動は正常化に向けた動きが進み、個人消費やインバウンド需要の高まりが見られました。また、30年ぶりとなる大幅な賃上げなど景気の回復を感じることができたほか、人と人との交流の機会が徐々に増えるなど、明るい兆しが見え始めた年でもありました。 国内農業においては異常気象が農業経営に与える影響は年々大きくなってきております。米については1等米比率が過去最低となったほか、野菜・果樹においても生育不良による収穫量の減少や品質の低下等、生産現場は大きな打撃を受けました。 そのような中、JA尾道市では世羅地区において育苗施設の再編が完了し、事業の効率化と水稲箱苗の安定供給を実現いたしました。また、農業者の所得増大と国産農畜産物の消費拡大への取り組みを強化した結果、農産物直売所「ええじゃん尾道」は大きく売り上げを伸ばし13億9千万円の売上高を達成したほか、看板商品であります「因島のはっさくゼリー・シャーベット」は年間561万個を供給することができました。 令和5年度の事業報告といたしましては、当期剰余金として4億1千万円を計上することができました。また、自己資本比率につきましては、17.97%と引き続き経営の健全性が確保できております。 今後もJA尾道市は更なるコンプライアンス態勢の充実強化・内部牽制機能の強化を図るとともに、協同組合としての社会的責任を果たすべく経営基盤の確立と健全性の確保に取り組み、役職員と組合員の皆様が一体となった総合力で地域に愛され必要とされるJAを目指してまいりますので、より一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。 令和6年6月 尾道市農業協同組合 代表理事組合長
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