JAおのみち3月号364
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徐々に暖かな日が多くなり、種まき、植付けなど野菜作りが忙しくなってきますが、上手に育てるには環境を整えることが大切です。【地温の確保】 気温が低い時期に定植するには地温をいかに高めるかが重要になります。●マルチ被服 地温を高めて生育を促進させるために、畝や野菜の株元の土をポリエチレンフィルムなどで覆う栽培をマルチ栽培といいます。 マルチとトンネル栽培を合わせるとさらに早い時期に種まきや定植ができます。 早い時期の定植は地温上昇効果が1番大きい透明マルチを使用します。ただし、透明マルチは雑草が生えやすい難点があります。黒マルチは地温上昇には劣りますが、雑草が生えにくい特長があります。※ポイント マルチを行う前に、十分土を湿らせておくこと、1週間前には被覆して地温を上げておくこと、肥料は少なめ(20%減)に入れるとよいです。●高畝 低い畝より高畝にする方が、より地温は高くなります。適度な水分状態で耕すことも地温確保には大切なことです。【葉根菜類の種まき】 お彼岸から桜が咲くころにかけて、ミズナ、シュンギク、コマツナ、ホウレンソウ、カブ、ラディッシュなどの種まきができます。乾燥が続く場合は、灌水を行いましょう。注意する病害虫アブラムシ類、ケムシ類、縮葉病、せん孔細菌病、灰星病、黒星病、果実赤点病●畑の準備 種まき1カ月前を目安に、1㎡当り完熟堆肥3㎏、苦土石灰100gを施用して深耕します。基肥として『やさい有機189』を1㎡当り150g施用します。●種まき 畝立て後、凸凹のないまき溝をつくり、間隔1㎝程度の条まき、もしくは10~15㎝の間隔で点まきを行います。気温が低い場合は、『パオパオ』などのべた掛け資材を利用すると発芽や生育がよくなります。●間引き 2~3回間引きを行います。最終的な株間は、ミズナは中株どりで15~20㎝、シュンギクは株張り種で10㎝、摘み取り種で15~20㎝、小カブは10㎝、ホウレンソウ・コマツナ・ラディッシュは5~7㎝とします。※ポイント 発芽をそろえるには初期の水分管理が重要です。畝立て前、種まき前に十分灌水して、覆土の上にモミガラなどをまくと乾燥を防げます。【果菜類の苗づくり】 ナス、ピーマン、トマトなどは、2ヵ月以上かけて苗を育てるため、寒いなかの種まきとなり管理も難しいため、苗を購入したほうが無難です。 カボチャ、キュウリなどは、1カ月程度の育苗期間で比較的容易に苗づくりができるので、種まきを行い、自家育苗でお好みの品種を育ててみるのもよいでしょう。●温床の準備 日当たりのよい場所に温床を設けます。●種まき 種まきの時期は4月上中旬が目安になります。9~12㎝ポットに市販の育苗用倍土を詰めて種を3粒程度まいて灌水します。●温度管理 発芽には25~30℃の高い地温が必要です。発芽するまでは密閉して温度を高めます。発芽後は地温を20℃に徐々に下げ、昼の気温25℃、夜の気温15℃くらいで管理します。定植5日前頃から夜の気温を10~12℃に下げます。●間引き 本葉が1枚開いた頃、元気のよい1本を残してほかは間引き、約30日の育苗日数で本葉3~4枚程度の苗に仕上げます。●灌水 水やりは朝に与えて夕方には土が乾く程度の量に控えます。※ポイント 夜間は昼の蓄熱でかなり保温できますが、15℃は欲しいので、気温が低すぎるときは、夜間にコモや不用品の毛布などで保温しましょう。種 類地 温トマト18〜15℃ナス20〜18℃ピーマン22〜18℃キュウリ20〜18℃スイカ20〜18℃メロン22〜18℃カボチャ18〜15℃イチゴ18〜15℃野菜の種類別最適地温今月号も前回に引き続き、畑の準備と葉根菜類の種まき、果菜類の苗づくりをご紹介します。家庭菜園担当井上 卓史ポリマルチは湿り気があるときに張るのが鉄則アブラムシ縮葉病9【農産物直売所 ええじゃん尾道 尾道店・向島店】地域の“旬”と“うまい”をお届けします。尾道店☎0848-55-9048午前9時から午後6時まで営業 向島店☎0848-20-6008午前9時から午後4時まで営業
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