JAおのみち8月号369
7/20

担当延葊 大祐刈取り作業がいよいよ始まります。良食味米の収穫のため、今一度管理作業に努めましょう。水 稲ロスにもつながりますので稲が乾いてから作業をしましょう。 また、刈取り期には、コンバインとバインダーによる事故が起きやすく、特に圃場進入時や後退時の転落・転倒、詰まり除去時にフィードチェーンやカッターへ巻き込まれる案件が多いので、十分に注意して作業を行いましょう。トラブルが発生した場合は、必ずエンジンを止めて対処し、事故防止を徹底しましょう。【刈取りの目安】 成熟期は多くの品種で出穂してから40日前後です。しかし、出穂期から成熟期までの期間は出穂後の天候が良ければ早まり、気温が低ければ長引きますので注意が必要です。積算温度の目安として、品種によって幅はありますが950~1,100℃前後とされています。 これらをおおまかな目安として利用し、倒伏程度などを視野に入れながら、実際の圃場をよく観察し、緑色の籾の割合(青味籾率)から判断していきましょう。 青味籾率では、コンバイン収穫で、5%になったとき、バインダー収穫で、10%になったときが刈取りの判断基準となります。【刈取作業の事前チェック】・コンバイン、バインダーなどの取扱説明書で安全作業、注意事項を必ず調べましょう。・燃料、各オイル、冷却水、バッテリーなどの点検項目をチェックし、必要箇所に注油を行いましょう。・各操作方法や機械の機能について確認しておきましょう。・コンバインから離れる場合や機械をチェックする場合には、必ずエンジンを切って駐車ブレーキをかけましょう。【作業時のチェックポイント】・圃場での作業に応じた刈取り条件をチェックしましょう(倒伏状態など)。・刈取りの高さを確認しましょう。・エンジンの緊急停止装置を確認しましょう。・詰まりが発生した場合は、必ずエンジンを停止してから確認しましょう。・収穫後、穀粒が残っていると、ネズミのエサとなるばかりではなく、侵入したネズミに電線などをかじられて故障の原因となります。収穫作業後は、ワラなどのゴミを取り除き、掃除口を開けて穀粒を機械の内部からできるだけ取り除きましょう。そして、必要箇所に注油して格納しましょう。【乾燥・調整】 品質に直接影響しますので慎重に行ってください。刈取り直後の籾は温度が高く水分も多いので、醗酵しないよう、刈取り後はできるだけ早く乾燥機に入れ、まずは風だけによる通風乾燥で余熱や余分な水分を取り除いてやりましょう。 通風乾燥で余熱や水分を落としたら火力乾燥に移りますが、急激な乾燥や過乾燥は胴割米の発生に直結しやすいので慎重に行ってください。火力乾燥後はもう1度通風乾燥で余熱をとりましょう。 9月に入ると多くの稲刈り作業が始まる圃場もあります。 今後の気温については平年並み~高く、日照時間は平年並み~多く、降水量は平年並み~やや少なく推移すると予想されています。出穂期後の水不足や、早期落水による品質低下には十分に注意しましょう。【早期落水の防止】 落水時期が早すぎると、玄米肥大生長が抑えられ、収量や食味・品質の低下を招きます。落水時期の基準として(土壌条件・気象条件考慮)、湿田では出穂後20~25日、乾田では出穂後30日頃を目安にしましょう。幼穂形成期時点での生育は、平年より5日~1週間程度早く推移しておりますが、出穂後の天候、穂の熟色や稔実程度を観察し、各圃場の落水時期を見極めましょう。【刈取り作業】 適期に稲を刈取ることは品質向上の面で非常に重要です。天候に左右されますが、極力適期刈取りに努めましょう。 適期より早いと青米や未熟粒の増加に、適期より遅いと胴割米や茶米の増加及び刈取り時の落下籾の増加につながります。特に食味低下に影響の大きい胴割米は、品種間で発生のしやすさが異なりますが、一般には高温年での発生が多く、また籾の水分が23%以下になると発生しやすくなり、降雨があると著しく促進されますので注意が必要です。 また、朝露などで濡れている稲を刈るのは、機械の故障や損傷粒の発生、収穫8月August今月の栽培ポイントお天気平年と同様に晴れの日が多いでしょう。7【営農相談】農業に関することなら専門的なことから家庭菜園まで、お気軽にご相談ください。JAは、新たに農業を始められる方も支援しています。(東尾道営農センター)☎0848-56-1231  (御調営農センター)☎0848-76-2242  (向島営農センター)☎0848-44-2106

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る