ええJAんおのみち1月号374
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野菜をしっかり観察することで、どんな管理を行えばいいか判断することもできます。家庭菜園担当兼永 朋恵 前回に引き続き土づくりについてお話しします。 野菜は土の中にある肥料成分が少ないのはもちろん、多すぎても生育が悪くなります。肥料成分の過不足を無くし、特別な機器や試薬を使わず、野菜の生育を目で見て調べる方法について紹介します。【アオムシによる肥料濃度の目印】 キャベツなどのアブラナ科野菜を生で食べると、ツンと鼻に抜ける辛みを感じます。これはグルコシノレートという物質によるもので、殺虫効果があります。ところがアオムシ(モンシロチョウやコナガの幼虫)は、このグルコシノレートを無毒化する能力を持っているため、キャベツなどのアブラナ科野菜を食べる事ができます。肥料濃度が適正でキャベツが健全に育っている場合はグルコシノレートがしっかりと生成されるため、アオムシの能力でも無毒化しきれず、死んでしまうこともあり、被害が少なくなります。 一方、肥料濃度が低く生育が悪い場合、グルコシノレートの生成量が少なくなり、アオムシによる被害が大きくなります。また逆に肥料濃度が濃い土では、大きな株に育つ『メタボ状態』となりますが、この場合もグルコシノレートの量が減り、被害を受けやすくなります。同時に葉に過剰に溜まった窒素により害虫が呼び寄せられる場合もあります。【根粒が付かなければ酸不足】 エダマメの根には、根粒菌が共生しています。根粒菌は、根に根粒を作って空気中の窒素を取り込みます。そしてエダマメの生育に必要な養分として供給しています。そのため、エダマメは無肥料や少肥料の畑でもよく育ちます。ところが実際に栽培してみると、株が大きくならない、またはさやがつかないということがしばしば起こります。 この場合は掘り上げて根をチェックしましょう。根にしっかりついているはずの根粒菌がほとんどなければリン酸不足の疑いがあります。 リン酸は生物のエネルギー代謝に欠かせない物質です。不足するとエダマメの株全体の生育が悪くなります。また微生物の活動も鈍り、根粒菌も増殖できないので根粒がほとんどできなくなります。 窒素過多になっている場合も根粒がつきにくいので注意しましょう。【葉緑素の緑色を手掛かりに】 葉の葉脈以外の部分が黄色くなり始めたら、土中のマグネシウム不足が疑われます。マグネシウムは三大要素(窒素・リン酸・カリウム)に次いで植物が必要とする成分です。不足すると光合成が出来なくなり、生育も止まってしまいます。根からマグネシウムが吸収できなくなると、下葉のマグネシウムを光合成の盛んな上部の若い葉に集めるようになります。そのため最初の症状は下葉に現れます。 苦土はマグネシウムの別称です。マグネシウム不足の畑では『苦土石灰』など石灰資材を使った土づくりをおすすめします。ただ、石灰資材は土をアルカリ性にしますが、アルカリ性の高い畑では野菜はマグネシウムを吸収できませんので、注意が必要です。少しずつ土壌を改良していきましょう。マグネシウムが不足すると、葉が黄色に変色していきます。健常なエダマメの根には、根粒ができます。12【はっさくゼリーセンター】はっさく発祥の地、因島のはっさく一房がまるごと入った  さっぱりとした味わいのゼリーご注文は「はっさくゼリーセンター」へ 0120-839041

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