ええJAんおのみち7月号380
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健康だより 右のグラフに示すように、タバコを吸う人の割合は、ここ50年間減少し続けています。この背景には、健康志向の高まりや高齢化、喫煙規制の強化、増税を主因とする値上げなどがあると考えられています。 タバコの煙に含まれる成分のうち、特に健康有害性が大きいのがタール(発がん性)、ニコチン(依存性)と一酸化炭素(血管を収縮させ、動脈硬化を促進させる)です。  喫煙による健康被害は、右の図のがんの他にも、脳血管疾患や虚血性心疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、糖尿病、歯周病、妊娠周産期異常など、様々な病気の原因になっています。 また社会的影響は、上記による医療費だけでなく、それらに関連する介護や、タバコによる火災等、その総額は2兆円を超える損失ともいわれています。※女性特有のがんとして、閉経前乳がん✴3.9倍、 子宮頸がん2.3倍になるとの報告もある。katanoda K, et al. J Epidemiol. 2008; 251-64. より作図✴Hanaoka T, et al. Int J Cancer.2005; 114(2):317-22 煙が出ない新しいタイプのタバコの登場により、禁煙目的で切り替える人もいるようですが、むしろ成功率は格段に低くなるという調査結果が報告されています。また、世に出回ってからの期間がまだ短く、データが充分でないため、「本当に体への影響が少ない」とは、言えない状況(むしろどの医学学会も否定的)です。煙ではない蒸気(ミスト)であっても、あなたの周囲は不快な刺激を感じ取っています。 あなたのチャレンジを応援してくれるのが「禁煙外来」です。医療用医薬品の禁煙補助薬(飲み薬や貼り薬)を使うことにより離脱症状を和らげ、比較的楽にやめることができます。また、医師や看護師による、その人に合ったアドバイスがあることで、成功率はより高まります。禁煙外来の治療費は、1日当たり約230円(健康保険適応で、自己負担3割、飲み薬で計算)。1日のタバコ代より安い金額で、自分だけでなく、周囲の人の健康も手に入るのです。まずは、かかりつけ医にご相談ください。そろそろあなたも、禁煙してみませんか?JA尾道総合病院健康管理課 保健師亀田 美香 あなたの禁煙が、日本の喫煙率を下げます 喫煙による健康被害は、がんだけじゃない! 最近の加熱式タバコなら、大丈夫? ちょっと禁煙にチャレンジしてみませんか?(再チャレンジは何度でもOKです)喫煙によるがんのリスク(男性)(がんになる、またはがんで死亡する危険性) よく聞く喫煙者のコトバ軽いタバコに変えているフィルターに開けられた穴により機械測定で表示されたものであって、実際の吸い方では、その効果は期待できません。税金を払って社会に貢献しているんだ!とんでもない!先ほどの社会的影響による損失に加え、労働力損失も加味すると、タバコの販売による税収なんて比になりません。タバコ1本吸うたびに、10円の損失を社会に与えています。迷惑にならないように外で吸っている残念ながら、喫煙者の服や髪の毛、手や息、部屋のカーテン、家具、壁、車の内装などからタバコ臭を感じた時(たとえ白い煙がそこになくても)には、有害物質を体内に吸い込み、受動喫煙の被害にあっているのです。他人の迷惑にならない喫煙は、現実には不可能なのです。0102030405060708090%83.718.0昭和41年平成元年男性平成30年61.112.727.88.7喫煙率の推移女性全がん口唇・口腔・咽頭がん2.0倍2.7倍喉頭がん5.5倍食道がん3.4倍膵臓がん1.6倍肺がん4.8倍肝・肝内胆管がん1.8倍尿路(膀胱・腎盂・尿管)がん5.4倍高橋裕子著「禁煙支援はたのしく」より17【AアグリートGREAT】産地と消費者を結ぶ、JA尾道市がお届けする「農」と「食」マガジン、アグリート。各支店・営農センター・ええじゃん尾道各店舗などで最新号を無料配布しています。

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