ええJAんおのみち6月号391
3/20

因島の農業の歴史と共に。今は糖度を追求するのが面白い 花が咲き、スイカの実がつき始めた村上さんの畑。青々とした露地栽培のスイカを覆うような小さな筒状のビニールは、村上さんが「トンネル」と呼ぶ独自の設備です。「このトンネルを作る1番の目的は、雨水を防ぐため。スイカがかかりやすい炭疽病の発生を減らすことができるよ。」これから約1カ月をかけて、大きく育てていくスイカ。7月になれば、収穫で忙しい日々が始まります。 子供の頃からずっと農業を手伝い、専業農家として暮らしてきた村上さん。その人生は、ここ因島の農業の歴史と共にあります。「子供の頃は水田やさつまいも、除虫菊もやってたね。牛も飼って、乳搾りもしたねえ。八朔やネーブル、ミカンなど柑橘を軸にしていた時代から野菜に切り替えて、今はちょっと何種類か分からんくらい、いろんなものを作ってるよ(笑)。ええじゃん尾道に出す野菜の種類も量も増えるばっかり。てんてこまいよね。」と明るく笑います。 数々の作物を育ててきた村上さんが、今、人生の目標として目指しているのが、「スイカの糖度を上げること」です。スーパーなどで見かけるスイカの糖度は11、12度くらいが多いですが、村上さんが目指すのは何と15度。「糖度がのるには、水切り(乾燥させること)と季節(朝晩)の温度差がポイント。13.5度前後はちょこちょこできるけど、15度はなかなか。でも夢として作ってみたいね。」2年前の豪雨災害を乗り越え「生きている間は百姓をしたい」 2018年7月の西日本豪雨では、畑がヘドロに覆われ、「大変なんていうもんじゃない。」というほどの思いをした村上さん。それでも「よそのことを思ったら大したことない。草も生えるしね(笑)。」と農業をやめることはありませんでした。 「好きなものを好きなように作って、いろんなことをしたから悔いはない。これからもまだ糖度を追求しながら、生きている間は百姓をしていたいね。」村上さんオリジナルの「トンネル」。ミツバチの動きが活発になる効果もあるそうです。村上さんはメロンも栽培。こちらも「糖度20度を狙いたい。」とやる気いっぱいです。因島は昔からスイカの栽培で知られる土地柄。「水はけのいい砂地と季節(朝晩)の温度差がスイカに限らず農業には向いているんだろうね。」と、村上さんは実感を持って話します。AGREADERこだわりの「スイカ」【組合員のみなさまへ】組合員のみなさまの住所・氏名・資格等の変更、または相続等があった場合は異動手続きが必要となりますので、最寄りの本店・支店・出張所にご相談のうえ手続きをお願いいたします。3

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る