ええJAんおのみち10月号419
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取材に伺った9月下旬、8月の後半から始まった今年の収穫も終わりが近づいていました。今年の米の出来を聞くと「平年並みかね」と話す山口さん。現在は家族で約15~16ヘクタールの田んぼを管理しています。山口さんの家はおじいさんの代から続く米農家。山口さんも兼業農家としてずっと米作りをしていましたが、今年定年を迎え専業となりました。「先代から言われていたのは、とにかく草を生やすなということ。草が生えていたら、不細工だし収量も落ちるでしょう。でもこれが大変地域で斜面が多いからね」さらに近年、山口さんが悩まされているのがシカやイノシシなどの獣害です。シカは稲の新芽の柔らかいところを食べ、イノシシは田んぼで転げ回って稲を倒してしまうとのこと。「柵をしたら斜面の草刈りがさらに大変になる」と今は柵をしていませんが、どうしたらいいか頭を悩ませています。今年から使い始めた新しいコンバインで、ぐんぐん稲を刈り取っていく山口さん。見ていると本当にあっという間に刈り取りが進んでびっくり。「稲刈りも適期に集中して一気にやらないと、品質が落ちる」と、山口さんは「いい道具を使って早く刈ること」にこだわっています。。この辺は中山間(笑)      35年ごとに更新するというコンバインをはじめ、数年前からはドローンも導入。防除や除草剤の散布に活用するなど、新しい技術も積極的に取り入れる山口さんですが、一方で「機械ができないところは人間がしっかり見ないといけない」と話します。 「スマート農業とか世間はいろいろ言うけれど、やっぱり横着はできないということ。例えば田んぼに水を入れると土が柔らかくなるので、斜面の草刈りは機械ではできない。一番早いのは人手。農業は人間がしっかりやるのが基本なんです」生まれた時から当たり前のようにそばにあった米作り。山口さんは「楽しいとかやりがいとか意識したことはない」と笑いながら、「体が動くうちはやる。この世羅の風景を守っていきたい」と力強く話してくれました。美味しいお米で知られる世羅町に、実りの秋がやって来ました。山口広規さんは「今年下ろしたばかり」という新しいコンバインに乗って、キビキビと稲を刈り取っていきます。代々続く米農家で「当たり前のように米を作って来た」と笑う山口さんにお話を聞きました。先代からの教えは「草を生やさないこと」機械の力を借りながら人の手もしっかり掛ける「二兎は追えない」とこれまで米一筋で来た山口さん。「資材や燃料などの物価は上がっても米価は上がらない状況。それでもやらんといけんと思ってやっている」。産地を守っているのは、この山口さんのような強い思いを持った生産者の皆さんです。組合員のみなさまへ組合員のみなさまの住所・氏名・資格等の変更、または相続等があった場合は異動手続きが必要となりますので、最寄りの本店・支店・出張所にご相談のうえ手続きをお願いいたします。ここに注目!

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